吉田佑子

YOSHIDA Yuko


1957 東京芸術大学美術学部油絵科卒
   
個展  
1963・66 ルナミ画廊
1967 渋谷西武百貨店
1970 櫟画廊
1975 村松画廊
1986・88 木の葉画廊企画 
1989 ドイツ文化会館
1991 麻布美術工芸館
1993・95 JINE画廊企画
1994 ギャラリーフレスカ企画
1994・98 しらの画廊
1996 コモド西千葉アートプラザ(10月より3ヶ月間屋外展示)
1997 アートギャラリー金太郎 企画
1999 ぎやらりいセンターポイント
   
グループ展、その他
1957 独立美術展に入選
1964 椿近代画廊企画「3人のイブ展」
1970 京都太秦に壁画制作 400×200
1975 第1回東京展出品
1976〜82 フォルム画廊新人展
1984 ロープによる造形をはじめる
1986 ぎやらりいセンターポイントに初めてロープの立体作品を展示
埼玉近代美術館・美の祭典に入選
1987 毎日現代展に入選
新宿NSビルふれあい彫刻展出品
1988 埼玉近代美術館プレCAF展出品
1989 毎日現代展に入選
東京展に出品 大賞を受賞、会員
1990 埼玉近代美術館CAF展に出品
花の万博会場に作品展示
路上美術館に作品展示
オートザムソシオに作品展示
1991 横浜ー光州現代美術展 大倉山記念館
埼玉近代美術館CAF展に出品
1992 光州ー横浜現代美術展 (韓国)
展示作品は光州市立美術館に収蔵
1994 木の葉画廊企画2人展
埼玉近代美術館CAF展に出品
1995 韓国光州ケンブリッジ画廊2人展
1996 埼玉近代美術館CAF展に出品
1997 芝山国際美術展にて野外作品制作
CAF12人展 花の木画廊
1999 ギャラリーフレスカ企画展出品
NEC 那須リゾートのアートプランに参画
芝山国際美術展にて野外作品制作
2000 インスタレーション展(香港)
   
評論、その他
1963 「みずえ」誌に植村鷹千代氏が評論
「芸術生活」誌に針生一郎氏が評論
1964 「美術手帳」誌に野村太郎氏とヨシダヨシエ氏が評論
1970 「みずえ」、「三彩」誌に紹介記事掲載
1986 瀬木慎一氏が週刊ポストに評論
1987 「日本テレビ」にて作品を放映
1988 毎日新聞に紹介記事掲載
1989 「三彩」誌に紹介記事掲載
1991 「三彩」誌に記事掲載
1993 ロープ作品を開隆堂版中学校美術教科書が採用(‘93〜‘97)
2000 柳生不二雄氏がロープ作品について評論(アートジャーナル誌26号)




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流動空間
綿ロープ・木
1999





綿ロープ・竹



循環
綿ロープ・木



縄文の系譜
綿ロープ・木



生成
綿ロープ・木

 

 
 世紀にまたがる新しい造形意識

柳生不二雄

 吉田佑子は、ロープをテーマにしたインスターレションを試みている。 84年からだ。東京芸術大学を卒業してから、しばらくは油絵を描き、 美術展にも出品していた。二次元の世界に満足できなくなったのは、 新しい創造の意識に燃え、古いものを打ち破りたいという意思によるものだろう。この十数年は、ロープによる作品を執拗に発表しつづけている。だんだんと規模が拡大し、空間処理も緻密になってきた。い まはロープと枯れ木をからませた詩的世界になっている。
 「流動空間」。1999ねん、銀座、ぎやらりいセンターポイントで発表された作品。天井から多くのロープを下げ、画廊空間を埋めつくす。 異次元を思わせるせかい、夢幻の境が生まれてきた。枯れ木のオブジェを

中心に、ぐるぐると取り囲むようにロープは中心部にむけて収 斂していく。それはまた、ロープによる雨を感じさせた。観客は画廊の入り口で、瞬時、立ちどまる。とまどいながら、外側に沿って内に入っ てくる。そして内側に引き込まれてしまう。好奇心をもって、なかを窺いたくなる。横たわって枯れ木が静寂さをもつ。孤島のなかで、シャワーのような豪雨を浴びつつ、瞑想に耽っているようだ。現世を忘れ、幽界に遊んでいるかのようでもある。詩情に溢れる。
 作家は、この騒々しい世の中に、空想の世界をしめし、あるユートピアを暗示している。新しい世紀との掛け橋となる造形空間に期待をかけたい。


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