大谷早苗

OHTANI Sanae


作家の言葉

大谷 早苗

 10年程前、無性に赤い絵が描きたくなった。100号正方形の画面 いっぱいに、赤い大きな立方体をやや斜めに浮かんでいるように描いてみた。一見不安定のようだが、どちらにでも動き出しそうな気配が表現できた。そして制作中、 気持ちが高揚し元気が出てきたような気になったのを今でも覚えている。(この時、4回目の骨折後の自宅療養中)
  この制作をきっかけに、それまでの形や色を捨て、自分の感覚や感情に正直に、楽しく、力強く、元気が湧くような作品を制作しようと決心した。
  浮かんで見えたり、出っぱって見えたと思ったら次の 瞬間、引っ込んで見えたりする形、今にも崩れ落ちて自分を巻き込んでいきそうな形など、動きや錯覚の画面空間の中を行きつ戻りつし、楽しみながら制作を続けている。




1968年 武蔵野美術大学卒業
1969 同大学造形専攻科修了
1973 個展(銀座・フタバ画廊)
1976〜82 日府展出品(新人賞・奨励賞・努力賞)
1979〜90 個展10回(銀座・玉屋画廊・ギャラリー玉 屋)
1981 エンバ美術コンクール展出品
1981〜82 日仏現代美術展出品
1984〜90 光陽会出品(奨励賞・東京都美術館)
1991〜 新象展出品(佳作賞・奨励賞・東京都美術館)
1992 企画個展(渋谷・ギャラリー319)
1993・95 個展(銀座・ギャラリーSAN BAN KAN)
1993〜 東京展出品(東京都美術館)
1994・95・97・99

C・A・F展出品(埼玉県立近代美術館)

1996 個展(渋谷・ギャラリー神宮苑)
1997 個展(銀座・ギャラリーモテキ)
1997・98・99・2000 新象6人展(銀座・ギャラリーモテキ)
画廊協会展出品 (銀座・セントラルアネックス)
日韓現代美術作家交流展(ソウル)
1998 画廊協会新春展(銀座・ギャラリータカゲン)
日韓現代美術作家交流展(東京・ギャラリー八重洲)
個展(銀座・Oギャラリー)
企画個展(日本橋・CTIウィンドーギャラリー)
1999 6人展(銀座・日辰画廊)
個展(銀座・ぎやらりいセンターポイント)
日韓現代美術作家交流展(韓国・國立清州博物館)
1999年展(銀座・すどう美術館)

2000
新世紀現代美術展(足立区立西新井市民ギャラリー)
日韓現代美術作家交流展(銀座・地球堂ギャラリー)
個展(銀座・ギャラリーモテキ、ギャラリー路地裏)
朝日A展(銀座・朝日アートギャラリー)
第7回神奈川芸術フェスティバル参加・企画個展
(神奈川県民ホールギャラリー)

その他 グループ展多数

現在 新象作家協会会員 東京展会員 日本美術家連盟会員








 


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162×324cm
斜位
1998




S 100号
WORK─1
2000



S 10号
斜位
1998



S 100号
WORK─2
2000



S 100号
斜位
1996


 

推薦の言葉  

 故・清川 泰次
(清川泰次芸術館館長)

新しい年、 21世紀のトップを飾る大谷早苗作品、 永年、 彼女から展覧会の通知が送られて来る度に、 必ずといっ てよい程、 僕は会場に足を運んできた。彼女の其の深い 独特の赤と緑の作品の印象が強烈で、頭に残るものだっ たからだ。 彼女の無対象芸術の構図は直線的で、大変シンプル。マチエールもフラットに仕上げられているが、

それが彼女の 淡々としたやさしい性格のどこから生まれて来るのであろう かと不思議に思われる程の強靭さで、個性的な自己主張を みなぎらせて、作品を見る人々を圧倒し、陶酔させている。   清川泰次芸術館2階会場に、彼女自身の自選により飾り 付けられる作品群は、きっと、訪れる人々を其の場に釘付けにするのではないだろうか。2001年の新春が待ち遠しい。

(2000年5月)


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