松本 旻

MATSUMOTO Akira


作家の言葉

モザイクの「葉」
 70年代、メディアの主流は印刷物であった。その写真版は、 点の集合によって成立する錯視の像であるが、私はその頃 「点」を打つ(描く)ことで、モノクロームの「風景」をカンヴァスに 現出させることに腐心していた。
 現在メディアは映像化され、コンピューターによる支配が著 しい。その因子を形として視覚化した場合、□となるのでは ないかと考える。□の連らなるモザイク状の私の画面は、デジ タルをアナログ(手描)で捉え返すと云う従来からの姿勢から 生れたものだ。
 田舎暮らしの生活の中で「葉」の色彩の変化と純度の高さ にはしばしば驚ろかされる。それは自然の光と、私の気持 (視覚)との渾然としたところから発せられるのだろうが、それ にしても「葉」の表情は魅力的である。
 景色としての「葉」も又、斑に美しい。しかしこれらの色彩は、 刻々変化するし、移ろいも早い。これを、平面 上に、映像的で なく、物質的にでもなく、抽象出来ないものか。


1936年 大阪に生れる
1963 安井賞候補新人展(東京国立近代美術館)
1975 リュブリアナ国際版画ビエンナーレ
グランプリ受賞(スロベニア)
1978 写真と絵画(東京都美術館)
1979 ジャパン・アート・フェスティバル大賞受賞
(国立国際美術館)
1983 現代美術における写真(東京・京都国立近代美術館)
1986 ザ・メッセージ〈日本現代絵画83人展〉
(横浜・そごう美術館)
1989 広島・ヒロシマ・HIROSIMA(広島市現代美術館)
1991 現代作家シリーズ3人展(神奈川県民ホールギャラリー)
松本旻作品集《1960-1990》刊行(ギャラリー夏彦)
1992 ウロツラフ国際ドゥローイングトリエンナーレ佳作賞受賞(ポーランド)
1994 矩形の森ー思考するグリッド(埼玉県立近代美術館)
1995 70年代と色彩(3人展)(町田市立国際版画美術館)
戦後文化の軌跡《1945‐1995》(目黒区立美術館 他)
1996 版画の1970年代(渋谷区立松濤美術館)
1997 日本ビジュアルポエジー展(ハンブルグ他ドイツ巡回)
1998 日本の木版画1200年展(町田市立国際版画美術館)
1999 詩を見る〈日独ヴィジュアル・ポエトリィ展〉
(日本現代詩歌文学館)
イメージのむこうがわ(東京都現代美術館)
2000 DOMANI・明日展(安田火災東郷青児美術館)
アート最前線25年作家とともに(池田20世紀美術館)

現在   女子美術短期大学非常勤講師

作品収蔵  東京国立近代美術館
      京都国立近代美術館
      国立国際美術館
      神奈川県立近代美術館
      東京都現代美術館
      広島市現代美術館
      大英博物館
      ストックホルム国立美術館
      その他多数

 


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100×100cm(S40号)
季節感(葉-1)
カンヴァス(麻)・アクリル
1998




100×100cm(S40号)
季節感(葉-2)
カンヴァス(麻)・アクリル
1998




162×97cm(M100号)
季節感(葉-3)
カンヴァス(麻)・アクリル
1998




162×97cm(M100号)
季節感(葉-4)
カンヴァス(麻)・アクリル
1998




91×91cm(S30号)
季節感(葉-8)
カンヴァス(麻)・アクリル
1998



145.5×145.5cm
季節感(葉-14)
アクリル
2000

 


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